おまめPブログ

(年齢的に)大人になったので、考えを表に出す訓練をすべきと思い立ったのがキッカケで始めました。

リズと青い鳥のかんそう(ネタバレあり)

オタクなのですぐに文字でまとめたくなってごめんなさい。

とてもいいと感じた作品とえんかすると可能な限り100%の理解度に近づきたいオタクなので同じ作品にふれた方の感想を見るのが好きで

その一環として一オタクの感想として読んでほしいです。

 

まずはじめに、2回目の視聴で気づいたor気になったシーンです。

 

・希美が浄水器の水を飲んだ後、みぞれも同じことをするシーン

→ここ、希美が飲むシーンは全部収まってるのですが、みぞれがボタンに手をかけた瞬間でカットが変わっていました。恐らくですが、みぞれはこの後水を飲んでないと思います。というのも、みぞれは希美の行動をなぞることに意味がある(マネしたい、くらいの軽い気持ち)ので

という理由です。みぞれの行動には主体性というより希美に依るところが大きく占めることを冒頭で示すための一部分、といった個人的な認識です。

 

・部室にいく最中に外の階段を上るシーン

→こちらも先程との関連ですが、みぞれは希美の歩いたところになぞらえて歩いてるように見えました。(多分考えすぎですごめんなさい)

 

多分こんな感じです。

 

言い忘れてましたが、1回目に観た後の吟味の末、コンセプトというかサブテーマ的なものを充てがうとしたら何をつけるかということをむんむん考えてたのですが、思いついたのは「劣等感との向き合い方」です。2回目を観に行った理由はこれのあやふやな部分をもっと具体的にしたいと思って足を運びました。

 

さて本題ですが、あまり気持ちのいいことは書けません。すみません。

 

具体的にしたい、といいましたが、この作品の希美とみぞれを上手く言い充てがうぴったりの例えがぴぴんときました。

 

ずばり、「遠近法」です。

 

文字で表現するのは難しいですが、頑張ります。

はじめに、例えのための設定をつくります。

 

                         希美                みぞれ

                                                   |

                           |                     |

                           |                     |

 

この縦棒の長さは吹奏楽における文字通り実力度を表します。勘違いを生みそうな表し方ですが、わかりやすくしました。

1回目を観た後、どうしても上手く答えを出せなかった部分は「希美がみぞれの前を常に歩く理由」です。

 

作品の後半で、希美が"同じ大学に行けば、みぞれと同じになれる"との趣旨の発言をしましたが、注目すべきはまさにこの発言です。

後半は答えあわせのような発言がいくつかありましたが、大事な点は、"昔から上手かったもんね"の発言と、後輩が希美はうまいと話していたのを聞いて喜んでいる束の間に、みぞれの音が聴こえてハッとするシーンから希美はみぞれに対して楽器は違えど実力が劣っていることを自覚しています。(音大を先生に薦められなかったことを気にしている点も勿論含まれます)

 

ネックなのが、この実力差を希美は口に出さずともはっきりとした劣等感として抱えているに対し、みぞれは希美の側にいることが幸福なので精神的に距離を縮めようとします。

ここで先程の縦棒と遠近法を思い出して欲しいのですが、希美とみぞれの距離が離れると、

 

 希美                                              みぞれ

  |                                                     |

  |                                                     |

となります。(実際にはみぞれの縦棒は短くなっていないのですが、希美がみぞれから離れることで少なくとも希美からはみぞれは同等に見えます)

 

これが今回の視聴で気づいた一番のポイントです。

  希美がみぞれの前をキープしているのは物理的な距離に留まらず精神的な距離間も有している、といった結論です。

それ故、みぞれが近づけば近づくほど希美は普段誤魔化している実力差を痛感させられることになり、希美がそこでした行動はひたすらみぞれとの距離間を保つことでした。

 

そして結局のところ、第三楽章の演奏でみぞれは一気に希美との距離を詰めます。

気になった方も多いと思いますが、ふぐの部屋(おそらく生物室)には非常口がありました。

これも予想の範疇を抜けませんが、希美はみぞれから逃げようと思えば逃げられることを意味しているのでは?と考えました。お察しのとおり、一度吹奏楽部をやめているため、同じようにみぞれから逃げる手段もあったわけです。その選択肢をチラつかせるため、ハグのシーンでは視界に非常口をいれたのだと考えます。

 

その後のシーンでは、希美は左に、みぞれは右に。希美は大学受験の準備を、みぞれはオーボエの練習をしに行く場面がありました。

ここでは希美はみぞれとは別の土俵で競うことを明確に表す効果があったと感じられます。

 

そしてそして最後の最後に重要なシーンでしたが、というのも帰りに何を食べるか決めながら帰るシーンです。めちゃ重要。めちゃ重要。

希美はみぞれと並列であるいたり、前を歩いたりしています。そして、階段で立ち止まったシーン。

「みぞれのオーボエを支えるからね。だからちょっと、まっててね。」「待ってる」

このセリフです。

これは現状ではどう頑張っても希美はみぞれに勝てないということを自覚する覚悟を決めたシーンです。ポイントなのが、みぞれは希美の一段上ではなく四段上にいた点です。つまり、希美は背伸びをしたところで届くはずがなく、みぞれとの距離が有り有りとしています。

 

加えて重要なのが、みぞれの「待ってる」のセリフの意味です。

これは、今までは希美←みぞれで希美は距離を保とうとしました。

それをこれからは希美→みぞれの図式に移り変わることを含んでいると考えます。勿論近づくほど希美はみぞれとの差を痛感することになります。ですが、その劣等感を感じつつも少しづつみぞれに近づき、同等になるアクションを取ろうとしてる希美に対して、「待ってる」とみぞれはあったのだと思います。

 

 

以上となります。

こんなに長いのに読んでくださって大変嬉しく思います🙇‍♂️

あくまで一オタクの感想、考察として受け取ってもらえると幸いです。

 

※追記

公式のソースで、「希美はみぞれのことをわかっていない」との設定があることを伺いましたが、これは希美がみぞれに対して振り向かず、常に距離を保っていた故にみぞれのことを理解できていない部分があるのだと思います。